症状があったり検診で異常が見つかり病院を受診すると、まず胸部レントゲン写真を撮ります。それでは淡い雲のような影が見つかることが多いでしょう。そこで肺のCTを撮るとスリガラスのような淡く白い影が見つかります。それと重なってメロンの皮の文様に似た網目が見えることもあります。血液検査ではKL-6という物質の濃度がとても高くなります。
そのために最初は間質性肺炎という病気と間違われることもあります。はっきりとした診断をつけるために、気管支内視鏡(気管支カメラ)検査が必要となります。それを使って影がある部分を食塩水で洗うと(気管支肺胞洗浄)、黄白色の液が回収されます。
多くの場合、その瞬間に肺胞蛋白症であることが分かります。さらに証拠をつかまえるために、肺のごく小さな部分を、気管支内視鏡を通した小道具(鉗子)で採って顕微鏡で調べることもあります。それらで診断がつかない時には、外から胸の壁を通して内視鏡(胸腔鏡)を入れ、少し大きな肺組織を採ることもあります。
また肺の容積を示す肺活量は低下します。動脈の血の中の酸素濃度は、病気の重症度に応じて低下しています。
肺胞蛋白症であることが分かっても、忘れてはならないのが続発性ではないかどうか見定めることです。そのために血液疾患や免疫能低下、感染症に関する種々の血液検査を行います。また肺を洗った液で、病原微生物がいないかどうかも調べます。それらが否定されたなら、先に説明したGM-CSFに対する抗体が血の中に含まれていないかどうかを調べます。先天性の肺胞蛋白症が疑われる場合には、ある種の遺伝子検査が必要となります。
これらの内容は専門的な項目も含まれており、どこの病院でもすべてできるわけではありません。また病状によってはすべて必要とは限りません。どの検査をどの時期に受けるかは、担当の先生とよく相談なさって下さい。